筑波大学農林技術センターは、1979年にユネスコにより、その主事業の一つであるAPEID
(The Asia-Pacific Programme of Educational Innovation for Development)
の協同センター(Associated Center) として指名された。
そして、この1979年以降、筑波大学農林技術センターは日本ユネスコ国内委員会との共催により、「筑波アジア農業教育セミナー」 (TASAE: Tsukuba Asian Seminar on Agricultural Education) を関係部局との協力のもとに毎年開催してきた。
TASAEの目的とするところは、筑波大学の農業教育活動の一環として、アジア諸国の農業教育および農業研究に従事する専門家を我が国に招聘し、我が国の専門家を交えて各国の実情と問題点を比較検討し、この分野での我が国の教育水準を向上させ、合わせてアジア地域の農業教育および農業研究の国際協力推進に寄与することである。
開催年次とテーマ
APEID第4期事業 |
統一課題 |
「アジア・太平洋地域における自然並びに農業生態系を保全しながら農業生産性を高めるための教育と研究」 |
1987年 |
アジア各国における自然並びに農業生態系を保全しながら農業生産性を高めるための教育と研究の現状、問題点並びに展望 |
1988年 |
アジア各国における森林の有効利用と保全のための教育と研究に関する現状、問題点並びに展望 |
1989年 |
アジア各国における内水面の有効利用と保全に関する教育と研究の現状、問題点並びに展望 |
1990年 |
アジア各国における耕地、水の有効利用と保全並びに農薬、化学肥料の適正利用に関する教育と研究の現状、問題点並びに展望 |
1991年 |
アジア各国における農業教育と環境教育の結合に関する現状、問題点並びに展望 |
APEID第3期事業 |
統一課題 |
「アジア諸国における農業教育革新のための戦略」 |
1982年 |
アジア諸国の農業の現状と開発計画および教育の役割(序論) |
1983年 |
アジア諸国の作物生産における技術革新上の問題点(農学からのアプローチ) |
1984年 |
生産性向上のための農業工学分野における技術革新−主として穀物の調製・貯蔵技術について−(農業工学からのアプローチ) |
1985年 |
アジア諸国における農村地域開発のためのバイオマスとバイオテクノロジーの有効利用(応用生物化学からのアプローチ) |
1986年 |
アジア諸国における農業発展のための農業教育−事例と展望−(総括) |
APEID第2期事業 |
統一課題 |
「アジアにおける中等段階の農業教育」 |
1979年 |
アジア地域の中等段階農業教育の現状と問題点 |
1980年 |
アジア地域の中等段階農業教育における実験と圃場実習の重要性−主として、カリキュラム開発について− |
1981年 |
アジア地域の中等段階農業教育における教授法−主として、稲作について− |
APEID第5期事業 |
統一課題 |
アジア・太平洋地域における持続的な農業発展と環境保全のための教育と研究 |
1992年 |
アジア各国における農業生産からみた問題土壌とその対応に関する現状、問題点並びに展望 |
1993年 |
アジア各国における持続的な家畜生産のための教育と研究の現状、問題点並びに展望 |
1994年 |
アジア・太平洋地域における持続的農業発展と環境保全のための森林・林業の教育・研究の現状と課題 |
1995年 |
アジア諸国における持続的な農業発展のための植物育種と遺伝資源に関する教育と研究の現状、問題点並びに展望 |
1996年 |
アジア諸国における持続的な農業発展のための農業技術教育の現状と問題点並びに展望 |
APEID第6期事業 |
統一課題 |
アジア・太平洋地域における農業・環境教育革新のための戦略 |
1997年 |
アジア・太平洋地域における農業・環境教育革新の現状と展望 |
1998年 |
アジア・太平洋地域における農業・環境教育革新のための生物資源利用教育の現状と展望 |
1999年 |
アジア・太平洋地域における農業・環境教育革新のための地域情報利用教育の現状と展望 |
2000年 |
アジア・太平洋地域における農業・環境教育革新のための体験的教育の現状と展望 −農業・環境教育の改善に対する大学の役割− |
2001年 |
アジア・太平洋地域における参加型アプローチを通じた持続的地域資源管理および環境保全 |
APEID第7期事業 |
統一課題 |
持続的発展を前提とした生存・生産環境創成のための水資源利用・保全技術開発と農林業教育の役割 |
2002年 |
水資源の涵養と水災害などに関わる現状把握および農林業教育が果たすべき役割 |
2003年 |
人類生存・食料生産に関わる水資源の需要・分配と農林業教育が果たすべき役割 |
2004年 |
生存・生産活動と連動した水資源の量的確保に関わる現状把握、効率的利用を図るための技術動向および農林業教育が果たすべき役割 |
2005年 |
人類の生存・生産活動のための水資源管理と農林業教育が果たすべき役割 |
2006年 |
地球環境的・地域環境的視点からの水資源利用・保全技術動向および農林業教育が果たすべき役割 |
2007年 |
アジア・太平洋地域における参加型アプローチを通じた持続的地域水資源管理と環境保全 |