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八ヶ岳・川上演習林 将来構想・長期計画

 八ヶ岳演習林事務所は、次の3つの場所(団地)を管理しています。

 2013年10月現在、2016年からの次期長期計画に向けて以下のような方向で将来構想の検討を始めています。詳細な構想はできたものから随時ここにアップしていきます。
 各サイトの特徴などは「概要」「利用の誘い」をご覧ください。

八ヶ岳演習林(1-4林班)

 天然生林に中間湿原が点在する特徴を活かすために、次のような方向で将来構想を検討しています。

1. 中間湿地の保全

 中間湿原は、雨水の流れと地下水位の両方の影響を受ける上に、放置すると遷移が進むため、保全の難しい希少な環境です。八ヶ岳演習林では、木道を設けて踏み付けによる悪影響を減らしたり、地下水位の測定や埋土種子の調査をしてきましたが、徐々に衰退している状況です。そこで、表土を掻き起こす人工撹乱によって湿原を再生する実験を検討しています。

2. 天然生林の保全とシカ柵設置

 演習林周辺の高原野菜や牧草にはシカの被害が出ています。短期的には演習林がシカの逃げ場になっているのか、長期的には林床を覆っているササとシカ、そして森林更新の関係がどうなっているのかを調べるために、シカ柵の設置を検討しています。シカ柵実験は各地で行われていますが、囲い込み柵と排除柵の両方を設けることと、森林動態を追える長期的な実験で特徴を出せるよう構想を練っています。

3. 人為撹乱によるミズナラ林の種子更新実験

 八ヶ岳演習林は、かつて薪炭林として利用されていた頃には萌芽更新していたと考えられますが、50年余り更新されていません。そこで母樹は残して上層木を伐採したり、ササを刈り取るなどの撹乱を加えて、種子による天然更新を促進するとともに、林内の生物多様性、物質循環、土壌呼吸・水分、気象等への効果をモニタリングします。詳細は検討中です。

事務所構内(八ヶ岳演習林5林班=仮称「恵みの森」)

 ここは教育研究利用の促進と地域貢献のため、「野辺山高原 恵みの森」として、林相や管理の大胆な転換を計画しています。すでに構想の実行計画がまとまっています。詳しくは恵みの森のページをご覧ください。


川上演習林

 川上演習林ではこれからもカラマツ中心の林業的な管理は続けていきますが、同時に次のような新しい試験区の設定を計画しています。

1. カラマツ伐採試験地の設置

 北東側にある4林班のカラマツ林において、皆伐、強度間伐、通常間伐、対照(未処理)のセットを複数設けて、生物多様性や森林動態、物質循環、土壌や水文への影響を多分野連携でモニタリングする計画です。これは菅平高原実験センターや筑波地区の関連教員との連携事業であり、地球環境再生プログラム(JALPS)との関連事業と位置づけています。現在、処理の中身について調整中で、案がまとまり次第ここで公開します。

2. 間伐材処理の比較

 上記の間伐強度の変化は主に光条件の変化、つまり一次生産者を介した変化に着目します。それに対して、間伐材処理を変えて腐食連鎖を介した変化に着目しようというアイデアです。試験区は設けず、通常の間伐事業区ごとに間伐材の持ち出し区と捨て切り区を振り分けて公表します。この記録さえあれば、生物や物質循環などの比較研究が可能になります。

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